日本では電子コミックを含めた漫画全体の販売金額が、
ピークだった1995年を上回った2020年ですが、
アメリカでの売り上げも絶好調となっており、
2億4000万ドルと、過去最高を記録しています。
このような日本の漫画作品の人気の高まりは、
日本やアメリカだけではなく、イタリアでも変わりません。
そのような状況を、イタリアの人気コミック作家、
ロベルト・レッチオーニ氏が以下のように語っておられます。
「ここ数年、この国のコミック市場は、
いくつかの例を除き日本の漫画に支配されてきました。
私はそのような状況に混乱しながらも、
私自身も日本の漫画の熱心なファンである事を認めざるを得ません。
最も重要なのは、日本の漫画は、
若者の心に到達する能力があるという事なのです。
この新たなトレンドの理由は様々ありますが、
(明快なものでは、日本で数年続いた停滞ののち、
非常に優れた新人作家が続々と登場した)、
いずれにせよ、イタリアの状況は世界中で起きています。
そして、漫画がコミック界全体を押し上げる、
原動力になっているという事実も付け加えておくべきでしょう。
読者の皆さん、イタリア、フランス、アメリカのコミックが、
日本の漫画のように面白くなるために、出来る事はあるでしょうか」この投稿に、日本の漫画が世界的な人気になった理由を分析する声など、
様々な声が寄せられていましたので、その一部をご紹介します。
仏政府が若者に配布したクーポンの殆どが日本の漫画に使われる結果に
翻訳元■ 日本の作家は作品のテーマについて深く勉強してる。
そしてキャラクターたちの内面にも深みを与えるんだ。
■ まずはこの国の過去、現在、未来の物語を、
僕らの現実の中に落とし込んだ設定作りから始めよう。
日本人が(ほとんど)いつもやっているように。
+4■ 日本の漫画がこっちの若者にウケてる理由は、
一貫したプロット、リズム、短い一話、続きが気になる終わり方、
よりモダンなキャラデザインなどなど。
+1■ 僕の提案は以下
1.キャラを読者と同じ年齢層にする(学校やスポーツがテーマ)
2.安く買えるようにする
3.番外編などでストーリーを枝分かれさせない
■ 最近はコミック全般を買わなくなっちゃったけど、
でも日本の漫画はストーリーと絵が秀逸だと思う。
■ 日本の漫画はダラダラと続けないのも、
人気の理由として大きいはず。
+29■ こっちの作品でも、もしも日本や米国発だったら、
世界的なブームになってた物もあると思うんだ。
「Dragonero」なんてまさにそう。
+2■ 日本のマンガは人を驚かせる展開が多い。
そしてアクションシーンも多い。
日本国内でもバトル物は強いし。
■ 子供達がもっとこっちのコミックに触れる機会が増えるといいね。
日本のマンガから入ったっていいと思う。
興味がそこから広がるはずだから。
+4■ マンガとアニメの結びつきが強いから人気なんだよ。
扉が2つもあるんだから入りやすいんだ。
+11■ 日本と欧州にはまた別の哲学がある。
トレンドは必ず振り子のように変わっていくと思うがね。
「日本人独特の哲学だね」 なぜ日本のアニメでは老人が最強キャラなのだろうか?■ これは「バクマン。」に書かれてたんだけど、
マンガは14ページごとに物語の急展開や、
ひねりが加えられるようにしてるんだって。
そして毎週読者からの人気投票もある。
+4■ 日本のマンガ業界の隆盛は、
多様な広がりがある事も影響してると思う。
例えばフィギュア化やアニメ化が行われるように。
今の欧州のコミック業界にそういうのはないからね。
+3■ 僕もマンガとアニメの相乗効果は大きいと思う。
マルチメディア的な展開は重要だよ。
■ 今はミュンヘンで暮らしてる。
こっちのコミック文化は母国ほどじゃないけど、
それでもどこの本屋に行っても、
2つの棚が日本のマンガで占められてるよ。
+3■ 日本のマンガは本当にジャンルが多様だからね。
スーパーヒーロー一辺倒ではない。
+6■ こっちの作家は物語をもっとシンプルにしていいと思う。
いや、子供っぽい内容にしようと言ってるわけじゃなくて、
知的な楽しみのために枠組みを複雑にする事は、
やめた方がいいのではという事ね。
+13■ 日本の出版モデルは、新たな読者を獲得する上で勝者になってる。
起業家の世界だってそうだけど、
上には上がいるという事を認識すべきだ。
僕らは日本の成功を研究しよう。
+2■ マンガのいいところは最終回があるところ。
何十年も作品をリサイクルするような事はしない。
+9「美しさに圧倒された!」 四国八十八ヶ所巡りの結末に外国人が大感激■ この国のコミック業界を刷新していくためには、
大手出版社の勇気も必要になるだろうなぁ。
+3■ 日本は自分たちの国のユニークな特徴を上手く使ってる。
国際的な人気を博していくためには、
そういうふうに自分の国の価値観を、
海外の読者に伝える事も重要だと思うね。
+1■ 新しい世代の若者は日本のマンガしか読まないもん。
そしてマンガは大人の読者だっている。
どんどん層が厚くなっていってるんだよ。
■ レッチオーニさんにお聞きしたいのですが、
もしも「スラムダンク」の舞台がボローニャだったとしても、
同じように世界的な人気が出ていたのしょうか?
こっちのコミックは日本の作品と比べると、
上手く独自の文化を利用出来ていない気がします。
■ 会話や絵が「スラムダンク」と同じであれば、
おそらく人気が出たでしょう。
+33 レッチオーニ氏 ■ 「ジョジョの奇妙な冒険」はイタリア編もある。
だからどこが舞台かは人気に関係ないよ。
■ 日本のマンガにはちゃんと終わりがあり、
そして同じ人がずっと作画を担当する。
+3■ 僕は「少年ジャンプ」の熾烈な競争は素晴らしいと思う。
20作品の中で人気ワースト3位の作品は、打ち切りになる。
そして新人作家の短編も1年に12回掲載される。
個人的には、ジャンプの成功はここにあると思ってる。
+6■ 日本人は自国の伝統、民話、神話を有効に使ってるよね。
+18「日本神話カッコ良すぎ」 イザナミとイザナギの物語に外国人感銘■ 日本は新人にもチャンス(掲載スペース)を与える。
彼らは常にそうやってきて、常に勝ち続けてきた。
+2■ ちゃんと結末に向かっていくストーリーだからでしょ。
+3■ 日本の強みは、その裾野の広さだと思う。
文字通りあらゆる年齢層に向けた作品があるもん。
+1■ 日本人は1から物語を構築することに長けてるんだ。
どうして俺たちは自分たちの歴史から何かを得ようとしないんだろう。
インスピレーションを与えてくれる伝説とかは、
この国にも日本と同じくらい多くあるはずなのに。
+3■ 日本のマンガの強みはやっぱりストーリーだよ。
そして同じ雑誌の中に色々なジャンルが詰め込まれてる。
それから日本の作品はキャラクターが現状を打破して、
成長を遂げていくという壮大な長編冒険譚が多いんだ。
だから単調ではないし、さらにコメディシーンもある。
日常生活や恋愛、個人の問題も描写されてるから、
共感しやすい部分も多いんだよね。
+4
「日本の作品には結末がある」というものと、
「ジャンルが非常に豊富」という点が、
漫画の世界的な人気の理由として多く挙げられていました。
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