ヨーロッパにおける日本の漫画の最大の市場の1つであり、
漫画が若者の大衆文化の一部として定着しているフランス。
2021年、若者の文化活動を支援する事を目的に、
フランス政府が「カルチャー・パス」を発行した際には、
その大部分が日本の漫画に使われる結果になりました。
漫画の勢いは2022年も全く衰えておらず、
フランスの高級紙「フィガロ」によると、
2022年にフランス国内で購入された書籍の、
約7冊に1冊が日本の漫画だったそうです。
また、読者の年齢が若い事から、
今後も日本の漫画の成長は続くと指摘しています。
なお、日本の漫画が牽引する「コミック」の売上は、
「一般文芸」に次いで2位なのですが、
2021年と比較した新規購入者の数は、
「一般文芸」が14万人減少したのに対して、
「コミック」は63万人増加しているそうです、
フランス出版業界の救世主となっている日本の漫画ですが、
この現状に、現地から様々な反応が寄せられていました。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。
「日本の成功を研究しよう」イタリアの人気漫画家が日本漫画の世界的独占状態に言及
翻訳元
■■■■■■ もうマンガはフランスで完全に主流になったんだ!
最初にブームになり始めた頃よりも、
明らかにみんなマンガに対してオープンになってる!
+8■ 自分はマンガと同じくらい19世紀の文学も読んでる。
それぞれの時代にはそれぞれのメディアがあるんだ。
それは良いとか悪いとかではなく、
ただストーリーの伝え方が違うだけだと思う。
+7■ 1人のフランス人として、マンガの方が愛されてるのは悲しい😢
■ 自分の中でマンガは20年以上前から読んでいる物であって、
ブーム扱いされるのはあまり好きじゃないな。
マンガを過小評価して欲しくないね。
+2■ 残念なニュースだ!
いや、マンガを否定するわけではないけど、
他にも沢山の美しい作品があるんだから、
マンガ一辺倒にはなって欲しくないんだ。
+2 ■ その「美しい作品」にマンガも含もう😉
マンガの読者であるという事は、
必ずしも他の文学や芸術的な感性に対して、
閉鎖的である事を意味するわけではない。
むしろオープンなくらいだし!
+11 ■ その通り。言いたい事を言ってくれた。
マンガは興味の幅も広げてくれる。
+2 ■ そう思うのはマンガの広大さを知らないからじゃないかな。
谷口ジロー氏の「神々の山嶺」や「父の暦」は、
美しい芸術そのものだよ。
■ 他人の趣味の否定はやめましょう……😉
+3「日本人は常に全力だね」 日本人の趣味へのこだわりが尋常じゃないと話題に■ マンガ人気は素直に喜ぶべきだろ。
出版業界は大きな危機があったのにもかかわらず、
なんとか厳しい状況を乗り越える事が出来たんだから。
■ もう今はそういう時代なんだよ。
単にそれだけの事なんだ。
+2□ この現象はちょっと心配だなぁ。
+1 ■ どうしてマンガが人気になるのが問題なの?
□ フランス人の「読書」時間が減ってしまうから。
■ マンガも読書だよ。
ただスタイルが違うだけ。
子どもがテレビの前でじっとしてる方が、
はるかに心配になっちゃうけどね。
繰り返すけど、マンガも読書の一種だ。
■ ゾラやスタンダール、その他大勢の文豪の作品よりも、
本当にマンガの方が良いのだろうか?
「日本の小説が大好きになった」 アニメの影響で太宰治が世界的な人気作家に ■ 若者は古典にはちょっと抵抗があるからなぁ。
でも最近の小説も面白い作品が多いよ。
■ マンガを他の本と一緒にして欲しくないな。
本とはスペルや様々な考えを学べる書物を指すんだ。 😆
+1■ フランスは日本によって文化的に占領されてしまった……。
■ 質の高い文化作品を生み出す国民は、
なにも僕たちフランス人だけではない。
凡庸な国内の作品と質の高い日本の作品、
そのどちらを読みたいのかと言ったら、
多くの人が後者を選ぶんだよ。
なのにどうして文化的占領だと思うんだろう?
■ ますます若者の無気力が加速してるようだ。
マンガには心理的、知的、美的の面で、
多くの欠点があると思ってる。
■ 本当にそうかな?
もう少し具体的に言ってくれないと伝わらないな。
実際のデータがあるわけでもないだろうに。
■ 「マンガを読んでもためにならない」
両親の世代はバンド・デシネ*に対してそう言ってたっけ。
(*フランス・ベルギーなどを中心とした地域の漫画の事)
「勉強がかなり捗るぞ!」 日本の『学習漫画』シリーズに外国人から絶賛の声 ■ ベルナール・ピヴォ(※仏の著名な文化人)は、
バンド・デシネの人気が高まった時に、
バンド・デシネを批判するのではなくて、
文学から遠く離れた大衆への入り口となる事に賭けた。
その事をふと思い出したよ。
■ 現代の作品が売れるのも良いんだけど、
永井豪、松本零士、手塚治虫の作品のような、
往年の名作も今の人には読んで欲しいところ。
■ 過去の名作は高いからね。
永野護の「ファイブスター物語」は一冊19ユーロ(2900円)、
安彦良和の「アリオン」は21ユーロ(3200円)、
萩尾望都の「ポーの一族」は20ユーロ(3050円)もする。
■ だが現代の作品を読む若者が出版社を支えているからこそ、
過去の名作を出版する余裕が生まれる。
■ 「ドラゴンボール」「ナルト」「鋼の錬金術師」
「進撃の巨人」「鬼滅の刃」「スパイ×ファミリー」
「呪術廻戦」「ブリーチ」「チェンソーマン」
このあたりの作品も将来的には名作扱いだろ。
■ 俺たちはさすがにちょっと日本の影響を受け過ぎだろ……。
「アニメの影響力は凄いな!」 世界の若者たちが日本人化がしていると話題に■ マンガを買うには電車に乗って大きな街に行く必要があった。
そういう時代を知ってるから隔世の感があるよ😅😅😅
+2■ フランスの文化がこの国からは失われつつあるなぁ。
■ 「文化」は外の世界にもある事をフランス人は知ったのさ。
■ 日本のマンガが旋風を起こした事によって、
かなり多くの出版社が利益を得て、
新たな作品に投資する事が出来たんだ。
大手出版社だって例外ではない。
もしも日本のマンガがなかったらどうなっていたか?
おそらく、多くの出版社が今ごろ存在してないだろうね。
現在の漫画人気を様々な理由から嘆く声もありましたが、
そういった声にはほぼ必ず反論が寄せられていました。
「漫画は読書なのか」という議論は日本にもありますが、
少なくともフランスの出版業界からすれば、
やはり日本の漫画は救世主的存在でしょうね。
- 関連記事
-

↑皆様の応援が、皆様が考えている以上に励みになります。